Wild Japanese Girl in Canada

移住してほぼ隠居みたいな生活。気の赴くままぶつぶつ書いてます。日本とカナダの文化を取り込みながらますます隠居生活に拍車がかかる!!

名もなき人々

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夏目漱石の坊っちゃんを読んでいてふと思いついたことがあった。私は幕末〜現代が好きなので、もし当時の写真があれば見てみたくなったのだ。幕末以降は何か現実感があってただの御伽噺みたいじゃないから好きだ。

 

すると幕末の色々な古写真が出てきた。最新技術で色の復元もされていてより鮮烈だ。

勿論有名な人の写真もたくさん出てきたが、ほぼ無名のもう今となってはどこの誰だか分からない人が無数にいた(この記事内の写真には名前などの注釈が一つもなかった)。

でも彼らは確実に生きていたし、その子孫もいるだろうが、戸籍制度以前の日本人の身元はそこまで保障されていないのが実情であるので、もう本当に誰だかわからない。がしかしそこには確かに生きていて、生活があった。私の祖母の時代なんかには江戸時代生まれの人がぞろぞろ居たであろう。夢物語みたいだが。

 

時代が移り変わったとしても、一気にすぐに人は死なない。

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今となっては誰だかわからない、これは普通のことだが、私にとってとても刹那的で何とも言えない気持ちになる。

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祖母にも彼女の周りの人達の古写真を見せてもらった。大勢が並んで立って、笑顔を浮かべながら撮られた昭和初期の写真だった。

祖母も前列にちょこんと立って写っていた。

周りはもう当然存命ではない。祖母は私に誰が誰だかとか、どんな人でどんな関係性で、仕事はこんなだったとか説明をしてくれるけど、祖母がいなくなったらもうこの人達は忘れられるのだ。確かに生きていた、でももう彼らのことを詳しく覚えていてくれる人はいない。残念だけどこれが事実であり、自分もいつかはそうなるのだ。友人は、「でも娘がいるし、きっとあなたのことを後世に伝えてくれるよ」と言われたがそれも末代まで続くわけではないだろう。

 

こうすると、何か言い表せない気持ちになる。毎日平凡に生きていて、そしていつか全部無くなる。これって何か意味あんのかな?切ないわ!